
ウミガメって海の中で泳いでるから、てっきり魚の仲間だと思ってました。でも調べると「爬虫類」って書かれていて、不思議なんですよね。

そう感じる人は多いですよ。見た目も生活環境も水中なので魚っぽいですが、ウミガメはれっきとした爬虫類なんです。実は、肺で呼吸していることが大きなポイントなんですよ。

えっ、ウミガメってエラじゃなくて肺で呼吸してるんですか?じゃあ、ずっと水の中にいられないんですね。

その通りです。ウミガメは定期的に水面に浮かんで空気を吸いますし、皮膚も乾燥に強く、両生類のように水を通す構造にはなっていません。

なるほど…。生活は海の中だけど、体の仕組みは陸上生物なんですね。

まさにそうです。この記事では、ウミガメが爬虫類とされる生物学的な理由や両生類との違いをわかりやすく解説しています。読むと、「なぜウミガメが爬虫類なのか」がスッキリ理解できますよ。
- ・ウミガメが「爬虫類」と分類される科学的な理由がわかる
- ・両生類と爬虫類の生態や体の構造の違いを理解できる
- ・ウミガメの呼吸や進化の特徴をわかりやすく学べる
- ・身近なカメとの違いや飼育時の注意点もまとめて紹介
ウミガメが爬虫類と言われているのはなぜ?分類の理由と両生類との違い

ウミガメは海の中で泳ぎ、陸上よりも水中で過ごす時間が長いため、「魚の仲間」や「両生類では?」と思う人も多いです。しかし、実際には爬虫類に分類されます。この理由を理解するには、まずカメという生き物の特徴と、生物学的な分類基準を知ることが大切です。
カメは爬虫類なのになぜ水中で生活できる?
カメが爬虫類でありながら水中でも生きられるのは、進化の過程で水中生活に適応した身体の構造を持っているからです。爬虫類は基本的に陸上で生活する生き物ですが、ウミガメのように「肺呼吸を維持したまま水中環境に適応」した種も存在します。これは、魚のようにエラ呼吸をするわけではなく、肺で呼吸しながらも長時間潜水できる能力を進化させた結果です。
例えば、ウミガメは肺を非常に効率的に使える構造になっており、一度の呼吸で大量の酸素を取り込み、血液中に酸素を蓄えることができます。そのため、海中でも数十分から1時間近く潜っていられる個体もいます。また、体温を一定に保てない「変温動物」である点は、他の爬虫類と共通しています。
一方、陸ガメや淡水ガメと比べると、ウミガメは前足がヒレのように進化しており、泳ぎに特化した形状になっています。甲羅も流線形に近く、水の抵抗を減らしてスムーズに移動できるように進化しました。このように、カメという種の中でも環境に合わせた適応が進んだ結果、水中でも生活できる「爬虫類」としての性質を維持しているのです。
環境省や水族館などの公式資料でも、ウミガメは「海に棲む爬虫類」と明記されています。これは、肺呼吸で陸上での産卵を行う点、そして卵から殻のある個体が生まれる点などが、魚類や両生類と異なるためです。
ウミガメは爬虫類?それとも両生類?
ウミガメを「両生類」と思い込む人が多い理由は、水中生活をしている姿がカエルなどの両生類に似ているためです。しかし、両生類と爬虫類は、生まれ方・皮膚の構造・呼吸の仕方などがまったく異なります。
まず、両生類の代表的な特徴は「水中と陸上の両方で生活できる」ことです。カエルやイモリは幼生のとき水中でエラ呼吸をし、成長すると肺呼吸を行うようになります。つまり、両生類は一生の中で生活環境や呼吸法が変化します。
一方、ウミガメは生まれたときから肺呼吸しかできません。海の中にいても呼吸のために必ず水面に顔を出す必要があります。卵から孵化するときも水の中ではなく、砂浜に埋められた卵から陸上で誕生します。これは典型的な爬虫類の特徴であり、両生類とは決定的に異なる点です。
さらに、両生類は皮膚が薄く湿っており、皮膚呼吸も行いますが、爬虫類であるウミガメの皮膚は厚く乾燥していて、角質層に覆われています。これにより、水中や陸上でも体の水分を失いにくく、外敵や環境変化から身を守ることができます。
このような皮膚構造は、両生類では見られません。
また、産卵の方法にも大きな違いがあります。両生類は水の中にゼリー状の卵を産み、そこからオタマジャクシのような幼生が孵化します。一方、ウミガメは陸地に上がり、砂浜に硬い殻をもつ卵を産みます。これも、陸上での繁殖を前提とした爬虫類の特徴です。
国立科学博物館の資料では、「爬虫類は完全に陸上生活へ進化した脊椎動物のグループ」と定義されています。つまり、ウミガメは水中で生活していても、呼吸・皮膚・繁殖のすべてが「陸上生活を前提とした生物」であるため、分類上は爬虫類なのです。
両生類と爬虫類の決定的な違いとは

両生類と爬虫類は、見た目が似ている部分もありますが、分類学的にはまったく異なるグループに属します。生物学の基本として、その違いを整理してみましょう。
| 項目 | 両生類 | 爬虫類 |
|---|---|---|
| 代表的な生物 | カエル、イモリ、サンショウウオなど | ヘビ、トカゲ、カメ、ワニなど |
| 皮膚の特徴 | 薄く湿っており、皮膚呼吸を行う | 乾燥していて角質層で覆われている |
| 呼吸の仕組み | 幼生はエラ呼吸、成体は肺呼吸+皮膚呼吸 | 肺呼吸のみ(水中でも肺を使う) |
| 産卵方法 | 水中にゼリー状の卵を産む | 陸地に殻のある卵を産む |
| 生活環境 | 水辺を中心に陸と水の両方 | 陸上が主、または海中生活に適応 |
このように、両生類と爬虫類では「水との関係性」に大きな違いがあります。両生類は水がないと生きられませんが、爬虫類は体の構造が乾燥に強く、水がなくても生活できます。ウミガメも例外ではなく、海の中にいながらも肺で呼吸し、陸上で産卵するという「爬虫類の基本形」を守っています。
また、進化の視点から見ると、両生類が最初に陸上に進出した脊椎動物であり、その後、陸上環境に完全に適応したのが爬虫類です。つまり、爬虫類は両生類から進化した「陸上生活の完成形」といえる存在です。
ウミガメもまた、この進化の系統に位置づけられており、長い年月をかけて海洋生活に特化しながらも、根本的には陸上生物の特徴を残しているのです。
実際、国際自然保護連合(IUCN)や環境省の資料では、ウミガメを「海洋性爬虫類」として分類しています。これは、科学的分類上も世界的に共通した認識であり、両生類ではなく爬虫類に属する根拠として信頼性が高いといえます。
まとめると、ウミガメは肺で呼吸し、乾燥に強い皮膚を持ち、陸上で繁殖する点から明確に「爬虫類」と分類されます。見た目や生活環境に惑わされがちですが、生物学的には両生類とは異なる構造と生態を持っているのです。こうした違いを知ることで、ウミガメの不思議な生態をより深く理解できるようになります。
ウミガメが「爬虫類」とされる進化の背景
ウミガメが爬虫類とされる理由の一つは、進化の過程において陸上生活を基盤としながらも、水中での生存に適応してきた特殊な生態にあります。もともとカメ類は、約2億年以上前の中生代に陸上で生活していた「原始的な爬虫類」から分岐した生き物です。その中で、一部の種が海洋環境に適応する形で進化したのがウミガメです。つまり、根本的な分類としては陸上生物に由来する「爬虫類」であり、水中生活は後から獲得した性質だといえます。
進化の観点から見ると、ウミガメの祖先は「パラレプトソーサー」などと呼ばれる古代の爬虫類と共通点を持つと考えられています。陸上で硬い甲羅を持ち、外敵から身を守る仕組みを備えていたこれらの生物が、やがて海洋環境に進出したのです。ウミガメの体が流線形で前肢がヒレ状になっているのは、この海洋適応の進化の証拠といえます。
さらに、ウミガメが陸上で産卵を行う点も、進化的に見れば爬虫類の特徴を色濃く残しています。魚や哺乳類のように水中で出産することはなく、砂浜に上がって卵を産むという行動は、明確に爬虫類の系統に属する行動パターンです。卵には硬い殻があり、乾燥に強く、外敵からの保護にも役立っています。この特徴は両生類や魚類には見られません。
国立科学博物館や環境省の資料でも、ウミガメは「陸上性爬虫類が海洋環境に適応した結果」と説明されています。つまり、ウミガメは単に海に住むカメではなく、長い時間をかけて陸上型爬虫類が水中生活に適応した「進化の成功例」なのです。
たとえば、アオウミガメやアカウミガメの化石を解析すると、現生の個体とほとんど同じ骨格構造を持っていることがわかっています。特に胸郭(きょうかく)や四肢の骨の形は、空気呼吸を効率よく行いながら泳ぐための構造として最適化されており、これが「爬虫類でありながら海に生きる」という矛盾を成立させています。
このような進化の背景を踏まえると、ウミガメは「海に棲む爬虫類」という位置づけが最も適切です。陸上性の特徴を維持しながらも、海洋環境に見事に順応した稀有な生物として、進化の多様性を象徴する存在といえるでしょう。
亀が爬虫類として分類される呼吸の仕組み
ウミガメを含むカメ類が爬虫類とされるもう一つの大きな理由は、「肺呼吸によって酸素を取り込む構造」を持っているからです。魚類や両生類のようにエラ呼吸をすることはなく、カメは常に肺を使って空気を吸う必要があります。つまり、水中で生活していても完全な水棲生物ではなく、陸上動物としての呼吸システムを維持しているのです。
カメの肺は甲羅のすぐ下に位置しており、胸郭全体で空気を押し出すような仕組みを持っています。哺乳類のように横隔膜で呼吸をコントロールするのではなく、筋肉の収縮によって肺を動かすという独自の構造をしています。これにより、ウミガメは一度に大量の空気を取り込み、長時間水中で活動できるようになっています。
たとえば、アカウミガメの場合、通常の潜水時間は30分から1時間程度ですが、休息状態では6時間以上も水中にとどまれることが確認されています。これは、血液中に酸素を効率よく蓄える能力と、代謝を抑える生理機能によって実現されています。この特徴があるため、ウミガメは肺呼吸を維持しながらも長時間潜ることが可能なのです。
また、呼吸の際の「鼻の構造」にも爬虫類らしい特徴があります。ウミガメの鼻孔は口の上部にあり、呼吸の際に水が入りにくいよう弁状の仕組みになっています。これにより、波の中でも効率的に酸素を取り込むことができます。さらに、肺自体が広く発達しているため、1回の呼吸で多くの酸素を取り込むことができるのです。
国立環境研究所の報告によると、ウミガメは酸素消費量を著しく抑える「低代謝モード」に切り替えることができ、潜水中の酸素消費を最小限に抑えることで長時間の潜水を可能にしているとされています。これは、哺乳類や両生類には見られない、爬虫類特有の生理的な適応です。
さらに重要なのは、カメ類が皮膚呼吸をほとんど行わない点です。両生類は皮膚から酸素を取り入れることができますが、爬虫類であるカメの皮膚は乾燥を防ぐために角質層に覆われており、皮膚呼吸には適していません。そのため、酸素の摂取は完全に肺に依存しています。
また、ウミガメは呼吸を止めたまま長く潜水できるよう、血液中のヘモグロビンや筋肉中のミオグロビンの濃度が非常に高いことも知られています。これにより、体内に酸素を効率よく貯蔵し、活動に必要なエネルギーを維持できるのです。こうした生理的な特徴は、両生類には存在しない明確な「爬虫類の証拠」です。
また、カメが陸上で産卵する際には、肺呼吸で酸素を取り込みながら砂を掘るため、肺の強さや持久力も重要な役割を果たします。水中生活に特化していながらも、陸上活動を前提とした肺呼吸を維持していることこそが、カメを爬虫類たらしめる最大の特徴といえるでしょう。
このように、ウミガメをはじめとするカメ類は、呼吸の仕組みから見ても明らかに「陸上型の肺呼吸生物」であり、水中での生活はあくまで適応の結果です。魚類や両生類のようなエラ呼吸・皮膚呼吸の仕組みは一切持たず、陸上爬虫類の生理構造をそのまま引き継いでいます。これが、科学的にも「カメ=爬虫類」と分類される明確な根拠なのです。
つまり、ウミガメは「水にいるから水生生物」という単純な分類ではなく、「肺で呼吸し、陸上で繁殖する爬虫類」であるという点にこそ、その進化の奥深さがあります。海に生きる爬虫類として、陸上の祖先と海洋の環境の両方に適応したその姿は、地球の進化の歴史を物語る貴重な存在といえるでしょう。
ウミガメが爬虫類なのはなぜ?爬虫類の生態と特徴まとめ

ウミガメは海に棲む生物でありながら、分類上は明確に「爬虫類」に含まれます。この理由を理解するには、彼らの生活環境や体の仕組み、行動の特徴を詳しく見ることが重要です。陸と海の両方の環境に適応したウミガメの生態は、爬虫類の中でも非常に特殊であり、地球の長い進化の歴史を物語っています。
ウミガメの生態と生息環境の特徴
ウミガメの生態は、海洋生活に完全に適応していることが最大の特徴です。普段の生活のほとんどを海の中で過ごし、陸に上がるのは産卵のときだけです。体は流線形をしており、水の抵抗を減らして泳ぐのに適した形になっています。四肢はヒレのように進化し、海流を利用して長距離を移動することができます。
環境省の「日本のウミガメ保全計画」によると、ウミガメは世界中の熱帯から温帯の海域に広く分布しており、特に黒潮などの暖流に沿って生息することが多いとされています。海水温が20℃以上ある地域を好み、エサとなるクラゲや海草が豊富な場所で生活します。
また、ウミガメは「回遊生物」としても知られています。生まれた浜辺から何千キロも離れた場所まで移動し、成長すると再び同じ浜辺に戻って産卵を行う「母浜回帰(ぼはまかいき)」という行動を取ります。この能力は驚くほど正確で、地球の磁場を感じ取る「磁気感知能力」によって実現していると考えられています。
このように、ウミガメは陸上で卵を産むという爬虫類としての基本を維持しながら、生活の大部分を海中で送るという特異な進化を遂げた生き物です。水中でも肺呼吸を行う点や、体温を環境に合わせて変化させる変温動物である点など、すべてが爬虫類の特徴と一致しています。
日本に生息するウミガメの種類と分布
日本近海では主に3種類のウミガメが確認されています。アカウミガメ、アオウミガメ、そしてタイマイです。それぞれに特徴があり、生息場所や行動範囲も異なります。
| 種類 | 特徴 | 主な分布 |
|---|---|---|
| アカウミガメ | 赤みがかった甲羅を持ち、世界的に広く分布。主に日本本州南部で産卵。 | 九州南部〜沖縄、和歌山、高知沿岸 |
| アオウミガメ | 草食性で海草を主食とする。体色が青緑色で穏やかな性格。 | 小笠原諸島、屋久島、奄美諸島 |
| タイマイ | 鋭い口ばしを持ち、サンゴ礁地帯を好む。装飾品の「べっこう」の材料として知られる。 | 南西諸島、沖縄、宮古島周辺 |
特にアカウミガメは日本で最もよく見られる種類で、環境省の調査によると毎年5月から8月にかけて紀伊半島や九州南部の砂浜で産卵が確認されています。1回の産卵で100個前後の卵を産み、約2か月後に孵化します。孵化した子ガメたちは夜の暗い時間帯に海へと向かい、そこから何千キロも離れた海域へと旅立ちます。
また、アオウミガメはサンゴ礁の近くに多く見られ、餌として海草を食べるため「海の草原」と呼ばれる場所を好みます。これに対してタイマイは肉食傾向が強く、海綿やクラゲなどを食べて生きています。つまり、同じウミガメでも食性や生活環境が異なり、生態の多様性が非常に高いことがわかります。
ウミガメの肺呼吸の仕組みと潜水時間
ウミガメが爬虫類とされる最大の理由のひとつが「肺呼吸をしている」という点です。魚のようにエラで呼吸するのではなく、陸上動物と同じように肺で空気を吸って生きています。つまり、どれだけ海に適応していても、定期的に水面に上がって息をする必要があります。
ウミガメの肺は、背中側に大きく発達しており、一度の呼吸で大量の空気を取り込める構造になっています。そのため、1回の呼吸で数十分以上も潜っていられるのです。国立環境研究所の観測データによると、アオウミガメの場合、通常の潜水時間は30〜45分ほどで、休息中には2時間以上潜り続けることもあると報告されています。
潜水中は心拍数を大幅に下げ、体内の酸素消費量を抑える仕組みも備わっています。血液中のヘモグロビンや筋肉中のミオグロビンの濃度が高く、酸素を効率的に体内に蓄えることができるため、長時間の潜水が可能です。このような機能は、爬虫類としての進化の中で獲得された生理的な特性だと考えられています。
また、ウミガメは肺呼吸しかできないため、海面で息継ぎをしなければなりません。そのため、ウミガメが呼吸のために浮上する際には、鼻孔が水の入りにくい構造になっています。呼吸のときだけ水面から鼻を出し、すぐに再び潜ることで、外敵から身を守ることもできます。
一方で、長時間潜りすぎると溺れてしまうこともあります。漁業用の網に絡まるなどして水面に上がれなくなると、呼吸ができず命を落とすケースも少なくありません。そのため、環境省では「ウミガメ保護のための漁具改良プロジェクト」を推進しており、呼吸を妨げない安全な漁法の普及が進められています。
ウミガメと他のカメ類の見分け方

ウミガメと陸ガメや淡水ガメの違いは、主に体の形と生活環境に現れます。陸ガメは頑丈な脚を持ち、陸上での歩行に特化していますが、ウミガメの四肢はヒレ状で水中を泳ぐことに特化しています。甲羅も陸ガメより平たく、流線形で水の抵抗を減らす形状になっています。
- ウミガメ:ヒレ状の前足で泳ぐ/海洋生活に特化/肺呼吸で水面に浮上
- 陸ガメ:丸い甲羅で頑丈/乾燥地に適応/歩行中心
- ミズガメ:水辺と陸の両方に生息/甲羅は中間的な形状
さらに、ウミガメは爬虫類としての特徴である「乾燥に強い皮膚」や「殻付きの卵を陸上で産む」点でも他のカメ類と共通していますが、海洋生活に特化した点が大きな違いです。特に産卵時の行動には、彼らが爬虫類であることを示す典型的な特徴が見られます。
産卵は夜間に行われ、メスは陸に上がって砂浜に深い穴を掘り、100個近くの卵をまとめて産みます。その後、砂で覆って保護し、海へと戻ります。卵は太陽の熱で温められ、約60日後に孵化します。このように、陸上で産卵し、外気温に依存して孵化する点は、魚類や両生類とはまったく異なる「爬虫類の繁殖様式」です。
また、ウミガメは成長すると陸に戻ることはなく、ほぼ一生を海で過ごしますが、体の仕組みや繁殖行動には「陸上動物としての本能」が残っています。この陸と海をつなぐような生態こそが、ウミガメの最大の魅力であり、彼らが爬虫類として分類される明確な理由といえるでしょう。
以上のように、ウミガメは海に適応した爬虫類であり、呼吸・繁殖・体構造のすべてがその分類を裏付けています。海の生物でありながらも陸上の祖先を持つ彼らの存在は、進化の不思議を感じさせる貴重な証拠といえるでしょう。
ウミガメに寄生する生物やその影響
ウミガメの体には、さまざまな生物が寄生や共生の形で付着しています。その中には、ウミガメに悪影響を与えるものもあれば、ほとんど無害なものもあります。ウミガメは広い海を長距離移動するため、他の生物にとっては「移動する棲みか」として理想的な存在なのです。
特に知られているのが、フジツボやコケムシ、ヒルなどの付着生物です。これらは甲羅や皮膚の表面に取りつき、海流の中で移動しながら栄養を得ています。国立環境研究所の調査によると、アカウミガメの約80%に何らかの付着生物が見られると報告されています。フジツボの種類によっては、ウミガメの甲羅を覆い尽くすほどの密度で成長するものもあり、体重が数キログラム単位で増加することもあるのです。
フジツボなどが増えすぎると、ウミガメの泳ぐスピードが落ちたり、水の抵抗が増えて体力を消耗する原因になります。また、皮膚に取りつくタイプの寄生虫やヒルは、傷口から感染症を引き起こすリスクもあります。特に若い個体や傷を負ったウミガメでは、寄生虫の影響で体力が低下し、餌をうまく取れなくなることもあると報告されています。
一方で、付着生物の中にはウミガメに害を及ぼさないものもいます。たとえば「コバンザメ」は、ウミガメの腹部や甲羅の裏に吸盤で張り付き、ウミガメが泳ぐ際に出る食べ残しなどを食べて生きています。この関係は「片利共生」と呼ばれ、ウミガメに害を与えることはほとんどありません。むしろ、コバンザメが周囲の寄生虫を食べることで、結果的にウミガメの体を清潔に保つ手助けをしている可能性も指摘されています。
また、研究によってはウミガメの甲羅に付着したフジツボが、外敵からの攻撃を和らげる「保護膜」のような役割を果たすことがあるとも言われています。例えば、サメなどの捕食者がウミガメを噛んだとき、フジツボの層があることで致命的な傷を避ける場合もあるのです。すべての寄生生物が悪影響を与えるわけではなく、環境とのバランスによって共存関係が成立しているともいえます。
ただし、海の汚染が進む現代では、寄生生物の種類や量が変化していることが問題になっています。水質の悪化により病原性の強い寄生虫が増えたり、フジツボの異常繁殖が起きるケースもあり、結果的にウミガメの健康や生態に影響が出ているとされています。国際自然保護連合(IUCN)のレポートでも、こうした寄生によるストレスが繁殖率の低下や回遊行動の妨げになっていると指摘されています。
このように、寄生生物との関係は単純な「害」ではなく、自然界の複雑な生態バランスの一部といえます。しかし、ウミガメの生息環境が悪化すれば、そのバランスも崩れやすくなります。したがって、海洋環境の保全はウミガメだけでなく、そこに共生するすべての生物を守ることにもつながるのです。
ウミガメをペットとして飼う際の注意点
ウミガメは愛らしい見た目から「飼ってみたい」と思う人もいるかもしれませんが、実際には非常に難しく、基本的に個人で飼育することはおすすめできません。日本ではウミガメは「絶滅危惧種」に指定されており、法律によって保護されています。環境省の「種の保存法」に基づき、ウミガメを捕獲したり飼育したりするには特別な許可が必要です。
まず、ウミガメは成長すると体長が1メートルを超え、体重は100キログラムを超えることもあります。家庭用の水槽では到底収まりきらず、十分なスペースと水質管理が欠かせません。また、食事内容も一般的な魚や野菜では足りず、種類ごとに海草・甲殻類・クラゲなどバランスの取れた餌を与える必要があります。こうした餌の確保にはコストもかかり、専門的な知識が求められます。
さらに、ウミガメは海水生物であるため、飼育水は常に塩分濃度を保たなければなりません。水槽の温度・光・酸素量などを安定させるには、高度な設備が必要です。日本ウミガメ協議会によると、飼育を行う施設のほとんどは研究目的や展示用であり、一般家庭での飼育は現実的ではないとされています。
また、ウミガメは寿命が非常に長い動物です。種類によっては80年以上生きる個体も確認されています。短期間の飼育ではなく、一生を通じて責任を持てる覚悟がなければ、途中で飼育放棄することにもつながりかねません。実際、世界的にはペットとして飼われたウミガメが捨てられ、海に戻された後に適応できず命を落とすケースも報告されています。
どうしてもウミガメと触れ合いたい場合は、飼育ではなく保護活動や観察イベントに参加する方法があります。日本各地には、アカウミガメやアオウミガメを保護・調査している団体があり、ボランティアとして砂浜での産卵保護や子ガメの放流活動に参加することができます。これらの活動を通じて、実際に自然の中でウミガメと関わることができ、飼うよりもずっと生態を深く学べる貴重な体験になります。
また、ウミガメを守るためには、私たちの日常生活でできる行動もあります。例えば、海辺にゴミを残さない、プラスチック製品を減らす、漂着ゴミの清掃活動に参加するなど、身近な行動がウミガメの生息環境を守ることにつながります。こうした取り組みは、結果的に寄生生物の増加や環境汚染の防止にも効果があるとされています。
つまり、ウミガメは「ペット」ではなく「保護すべき生き物」として考えることが大切です。個人で飼うよりも、自然の中で彼らが健康に生きられる環境を維持することこそが、真の意味での「ウミガメを大切にする行動」なのです。
まとめ:ウミガメが爬虫類と言われているのはなぜ?分類される理由と理解のポイント

ウミガメは見た目や生活環境から魚や両生類と混同されがちですが、その分類は明確に「爬虫類」です。肺呼吸を行い、乾燥に強い皮膚を持ち、陸上で卵を産むという特徴はすべて爬虫類の基本的な性質に当てはまります。海の中で生活していても、水中でエラ呼吸をすることはなく、一定の間隔で水面に浮上して空気を吸う必要があります。
進化の歴史をたどると、ウミガメの祖先は陸上で生活していた爬虫類から派生したことがわかっています。数千万年かけて海に適応する過程で、泳ぎに適したヒレ状の手足や流線形の体を獲得しましたが、呼吸や産卵などの基本的な構造は今も陸上型の特徴を残しています。
また、ウミガメの生態は海洋環境と密接に結びついており、気候変動や海洋汚染の影響を受けやすい生物でもあります。砂浜の開発やプラスチックごみの増加は、産卵率の低下や子ガメの生存率の減少を引き起こしており、保護活動の重要性が年々高まっています。環境省や国際自然保護連合(IUCN)でも、ウミガメの保護区指定や産卵地の保全を進めており、世界的にその保護が求められています。
つまり、ウミガメが「爬虫類」とされるのは、単に生物学的な分類の問題だけではなく、進化・生態・環境のすべてを理解するうえで重要な意味を持っています。彼らの存在は、地球の自然バランスを示す指標でもあり、人間が自然とどう向き合うべきかを教えてくれる生き証人といえるでしょう。
ウミガメという生物を通して、「爬虫類」としての特徴と「海の生き物」としての特性を学ぶことは、地球全体の生命のつながりを理解するうえでも大切です。私たちが海を守り、自然と共に生きる意識を持つことが、ウミガメを未来へとつなぐ最も確実な方法なのです。
- ・ウミガメは肺で呼吸し陸上で殻のある卵を産むため、生活の場が海でも分類は明確に爬虫類である
- ・両生類は湿った皮膚や幼生期のエラ呼吸などが特徴で、皮膚構造・繁殖様式・呼吸の仕組みが爬虫類と大きく異なる
- ・ウミガメは効率的な肺と酸素貯蔵で長時間潜水し、ヒレ状の前肢や流線形の甲羅など海洋適応を進化で獲得している
- ・寄生・付着生物や環境悪化は体力低下や繁殖率に影響するため、保全活動と生息地の保護が重要である
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