フトアゴヒゲトカゲを飼い始めたばかりの方や、成長してきた個体を育てている中で、「餌は毎日あげるべき?」「与えすぎや不足が心配」「年齢によって頻度は変わるの?」と悩む方は少なくありません。飼育書やネットの情報を見ても意見がバラバラで、何を基準にすればいいのか不安になりますよね。
結論から言うと、フトアゴヒゲトカゲの餌の頻度は年齢や成長段階に合わせて調整すれば問題なく、基本的な考え方を押さえれば過度に心配する必要はありません。ただし、頻度や量を間違えると、肥満や栄養不足、食欲不振といったトラブルにつながるリスクもあります。
この記事では、フトアゴヒゲトカゲの餌の頻度について、年齢別の目安や餌の構成、食べない時の対処法までをわかりやすく解説します。正しい知識を身につけることで、毎日の餌やりに迷わず、フトアゴヒゲトカゲが健康に長生きできる飼育管理ができるようになります。
- ・フトアゴヒゲトカゲの餌の頻度は年齢ごとに考えるのが基本
- ・餌の量や回数は与えすぎ・不足の両方に注意が必要
- ・人工餌・昆虫・野菜のバランスが健康維持のカギ
- ・食べない・太りすぎなどのトラブル時の考え方も解説
フトアゴヒゲトカゲの餌の頻度の基本と年齢別の考え方

フトアゴヒゲトカゲの餌の頻度を考えるうえで、まず理解しておきたいのが「すべての個体に同じ回数が当てはまるわけではない」という点です。年齢や成長段階、体の大きさによって必要な栄養量や消化のスピードは大きく変わります。ここでは、飼育初心者の方が最初につまずきやすい「1日に何回餌を与えるべきか」と「餌の基本的な構成」を、順を追って整理していきます。
餌は1日何回与えるのが正解?
フトアゴヒゲトカゲの餌の回数は、年齢によって考え方がはっきり分かれます。結論から言うと、ベビーや成長途中の若い個体は1日に複数回、成体になるにつれて回数を減らすのが基本です。これは単なる飼育者の経験則ではなく、成長スピードと消化能力の違いに基づいた考え方です。
若いフトアゴヒゲトカゲは体を大きくするために多くのエネルギーを必要とします。そのため、消化できる量も少ない代わりに、こまめに栄養を補給する必要があります。一方、成体になると成長は落ち着き、基礎代謝も安定するため、毎日何度も餌を与える必要はなくなります。
海外の爬虫類飼育ガイドラインとして広く参照されている
RSPCAによるフトアゴヒゲトカゲの飼育ガイド
でも、年齢に応じて給餌頻度を調整する重要性が示されています。成長期と成体で同じペースの餌やりを続けると、肥満や内臓への負担につながる可能性があるとされています。
目安としては、以下のように考えると分かりやすいです。
- 生後〜3ヶ月前後:1日2〜3回
- 4〜6ヶ月前後:1日1〜2回
- 成体(おおよそ1年以降):1日1回〜2日に1回
ただし、これはあくまで「平均的な目安」です。実際には個体差があり、同じ月齢でも体格や食欲に差が出ます。毎回決まった回数を機械的に守るよりも、食べ残しの有無や排泄の状態、体つきを観察しながら調整することが大切です。
例えば、若い個体に対して「忙しいから」と1日1回しか餌を与えないと、必要な栄養が不足しやすくなります。逆に、成体になってもベビー期と同じ感覚で1日2〜3回与え続けると、あっという間に脂肪がつき、肥満につながることも珍しくありません。
餌の回数を考える際は、「何回与えたか」よりも「その個体にとって適切な量と間隔か」を意識することが、長期的に健康を保つポイントになります。
餌の基本構成はどう考える?
フトアゴヒゲトカゲの餌を考えるとき、頻度と同じくらい重要なのが「何を組み合わせて与えるか」です。結論としては、昆虫・野菜・人工餌を年齢に応じてバランスよく組み合わせることが、健康維持につながります。
フトアゴヒゲトカゲは雑食性で、成長段階によって好む餌の比率が変化します。ベビー期は動物性タンパク質を多く必要とし、成体になるにつれて植物性の割合が高くなります。この変化を無視して同じ構成を続けると、栄養の偏りが起こりやすくなります。
若い個体では、体を作る材料となるタンパク質やカルシウムが特に重要です。そのため、コオロギやデュビアなどの昆虫を中心に、補助的に野菜や人工餌を取り入れる形が基本になります。一方、成体では昆虫の割合を減らし、野菜を主食に近い位置づけで与えるのが理想的です。
基本的な餌の構成を、成長段階ごとに整理すると以下のようになります。
| 成長段階 | 昆虫 | 野菜 | 人工餌 |
|---|---|---|---|
| ベビー〜幼体 | 多め | 少量〜補助 | 補助的に使用 |
| 亜成体 | 中程度 | 徐々に増やす | 状況に応じて |
| 成体 | 少なめ | 主食に近い | 補助・栄養調整用 |
このように考えると、「毎日コオロギだけ」「人工餌だけで済ませる」といった与え方が、長期的には望ましくないことが分かります。特定の餌に偏ると、カルシウム不足やビタミンの過不足が起こりやすくなり、骨の変形や食欲不振につながるケースもあります。
実際の飼育現場では、「今日は昆虫中心、翌日は野菜多め」というように、数日単位でバランスを取る考え方も有効です。毎食完璧な配分を目指す必要はありませんが、1週間単位で見て偏りがないかを意識すると管理しやすくなります。
例えば、平日は忙しくて人工餌が中心になる場合でも、休日にしっかり野菜や昆虫を与えることで、栄養の帳尻を合わせることができます。重要なのは、「楽だから同じ餌を与え続ける」状態を避けることです。
餌の基本構成を正しく理解しておくと、給餌頻度の調整もしやすくなります。栄養価の高い餌を適切な割合で与えられていれば、無理に回数を増やさなくても、フトアゴヒゲトカゲは安定した体調を保ちやすくなります。
このように、餌の回数と構成は切り離して考えるものではありません。年齢に応じた頻度と内容をセットで考えることが、失敗しにくい飼育管理につながります。
餌の回数や構成が理解できたら、次に気になるのが「1回にどれくらいの量を与えればいいのか」「どんな食べ物を好むのか」「野菜はどこまで与えてよいのか」という、より実践的な部分です。ここでは、日々の餌やりで迷いやすいポイントを整理しながら、適正な考え方を詳しく見ていきます。
餌の量はどれくらいが適正?

フトアゴヒゲトカゲの餌の量は、「お腹いっぱい食べさせる」ではなく「消化しきれる量で満足させる」ことが基本になります。結論としては、年齢と体格に合わせて、短時間で無理なく食べ切れる量を目安に調整するのが適正です。
爬虫類は哺乳類のように常に活発に動き回る生き物ではなく、代謝のスピードも比較的ゆっくりしています。そのため、必要以上に餌を与えると、消化しきれずに内臓へ負担がかかったり、余分なエネルギーが脂肪として蓄積されたりします。特にフトアゴヒゲトカゲは食欲が旺盛な個体が多く、「出された分は全部食べる」傾向があるため、量の管理は飼育者側の重要な役割です。
客観的な考え方としてよく使われるのが、「一定時間内に食べきれる量」という目安です。海外の爬虫類飼育情報でも、給餌時間を区切って量を判断する方法が推奨されています。
例えば、以下のような目安が一般的です。
- ベビー・幼体:5〜10分程度で食べきれる量
- 亜成体:10分前後で食べきれる量
- 成体:5〜10分で無理なく食べ終わる量
この時間内に食べた分を「その日の適量」と考え、食べ残しが多い場合は次回から少し減らし、すぐに食べ終えて物足りなさそうな様子が続く場合は、体重や体型を確認しながら微調整します。
実際の飼育例として、成体のフトアゴヒゲトカゲに対して「健康に良さそうだから」と毎日大量のコオロギを与えていたところ、数ヶ月で腹部が膨らみ、動きが鈍くなったというケースは珍しくありません。動物病院で診てもらった結果、肥満傾向と指摘され、餌の量を半分程度に減らすことで徐々に改善した、という例もあります。
逆に、量を控えすぎてしまうケースもあります。「食べさせすぎが怖い」という理由で極端に少量しか与えないと、特に成長期の個体では体格が小さいまま成長が止まってしまうことがあります。背骨や尾の付け根が極端に細く見える場合は、量が不足しているサインと考えられます。
餌の量は数字だけで決めるものではありません。体重の変化、体の張り、排泄の状態などを合わせて観察し、その個体に合った量を探っていく姿勢が大切です。
フトアゴヒゲトカゲが好きな食べ物は何?
フトアゴヒゲトカゲは雑食性で、さまざまな食べ物を口にしますが、結論としては「動く昆虫」と「甘みや食感のある野菜」を特に好む傾向があります。ただし、好物ばかりを与えることが必ずしも健康につながるわけではありません。
多くの個体が強く反応するのは、コオロギやデュビア、ミルワームといった昆虫です。動くものに対して本能的に反応するため、目の前で動く餌には勢いよく飛びつく姿がよく見られます。この反応の良さから、「昆虫だけならよく食べる」という声も多く聞かれます。
一方で、野菜や植物性の餌にも好みがあります。比較的食いつきが良いとされているのは、以下のような食材です。
- 小松菜
- チンゲン菜
- カボチャ
- ニンジン(細かく刻んだもの)
- 豆苗
色が鮮やかで、適度な水分と甘みがあるものは、初めてでも口にしやすい傾向があります。特に若い個体は昆虫への執着が強いため、野菜を単体で出すと見向きもしないこともありますが、刻み方を工夫したり、昆虫と一緒に与えたりすることで、徐々に食べるようになるケースが多いです。
実際の飼育現場では、「最初は野菜を全く食べなかったが、細かく刻んで昆虫に混ぜたところ、少しずつ慣れていった」という例がよく見られます。成体になるにつれて植物性の餌を受け入れやすくなるため、幼体のうちから少量ずつ経験させておくことが重要です。
注意したいのは、果物や高脂肪の昆虫です。果物は甘みが強く好む個体もいますが、糖分が多いため常食には向きません。また、ミルワームなど脂肪分の多い餌を頻繁に与えると、肥満の原因になります。
「好きな食べ物=たくさん与えてよい食べ物」ではない、という意識を持つことが、長く健康に飼育するためのポイントです。
野菜はどこまで与えていい?
フトアゴヒゲトカゲに野菜を与える際の結論は、「成体では主食に近い位置づけまで増やしてよいが、幼体ではあくまで補助的に使う」という考え方になります。年齢によって役割が変わる点を理解することが大切です。
野菜はビタミンやミネラル、食物繊維を補う重要な餌ですが、エネルギー量やタンパク質量は昆虫に比べて少なめです。そのため、成長期の個体に野菜ばかりを与えると、必要な栄養が不足する可能性があります。
一方で、成体になると昆虫中心の食事を続けることが、肥満や内臓疾患のリスクにつながる場合があります。この段階では、野菜の割合を増やし、昆虫を控えめにすることで、体重管理がしやすくなります。
目安としての野菜の位置づけは、以下のように考えると分かりやすいです。
- ベビー・幼体:全体の1〜2割程度
- 亜成体:全体の3〜5割程度
- 成体:全体の5〜7割程度
この考え方は、海外の爬虫類保護団体や飼育ガイドでも共通しており、
RSPCAのフトアゴヒゲトカゲ飼育情報
でも、成体では植物性の餌を増やすことが推奨されています。
実例として、成体になってからも昆虫中心の食事を続けていた個体が、野菜を増やすことで体重が安定し、活動量も改善したというケースがあります。逆に、幼体期から野菜中心にしてしまい、成長が遅れた例も報告されています。
また、野菜の種類にも注意が必要です。シュウ酸を多く含む野菜や、栄養価の低いものばかりを与えると、カルシウム吸収の妨げになることがあります。複数の野菜をローテーションし、特定の食材に偏らないようにすることが重要です。
野菜は「たくさん与えるほど良い」ものではなく、「年齢と体調に合わせて役割を変える」餌です。この考え方を押さえておくと、餌の頻度や量の調整もしやすくなり、日々の管理に自信を持てるようになります。
フトアゴヒゲトカゲの餌の頻度とトラブル時の対処・注意点

ここからは、日常的な餌やりの中で多くの飼育者が直面しやすい疑問やトラブルについて掘り下げていきます。餌の頻度や内容をきちんと管理していても、「人工餌だけで大丈夫なのか」「コオロギは何匹が適正なのか」「急に食べなくなったのはなぜか」といった不安はつきものです。さらに、成長途中の4ヶ月前後の個体は、ベビーとも成体とも違う難しさがあります。ここでは、それぞれの疑問を整理しながら、正しい考え方と現実的な対処法を詳しく解説していきます。
人工餌のみでも健康に飼える?
結論から言うと、人工餌のみで一生健康に飼育することは難しく、補助的な位置づけとして使うのが現実的です。人工餌は非常に便利ですが、それだけに頼る飼育はリスクも伴います。
人工餌は、栄養バランスを考えて作られており、カルシウムやビタミンが強化されている製品も多くあります。そのため、「これだけ与えていれば安心」と感じてしまう方も少なくありません。しかし、人工餌はあくまで加工食品であり、自然界で摂取する餌のすべてを完全に再現しているわけではありません。
海外の動物福祉団体である
RSPCA(英国王立動物虐待防止協会)のフトアゴヒゲトカゲ飼育ガイド
でも、人工餌は補助的に使用し、昆虫や野菜と組み合わせることが推奨されています。単一の餌に偏ることで、咀嚼や捕食行動が減り、精神的な刺激が不足する点も問題として挙げられています。
実際の飼育例では、人工餌だけで育てていた個体が、成長とともに食いつきが悪くなったり、活動量が落ちたりするケースがあります。これは栄養不足というよりも、餌への興味が薄れてしまうことが原因の場合もあります。一方で、人工餌をベースにしつつ、週に数回昆虫や野菜を与える飼育に切り替えたところ、食欲や動きが改善したという例も多く見られます。
人工餌は「忙しい日の代替」「栄養調整用」として非常に優秀です。しかし、主食として固定してしまうのではなく、あくまで飼育を支える一つの手段として使うことが、長期的な健康維持につながります。
コオロギ何匹が目安になる?
コオロギの数については、「何匹」という数字だけで決めるのではなく、個体の大きさと年齢を基準に考えるのが基本です。結論としては、食べきれる範囲で体に負担がかからない数を調整することが重要です。
よく「1日にコオロギ〇匹」といった情報を見かけますが、コオロギのサイズやフトアゴヒゲトカゲ自身の体格によって適正な数は大きく変わります。小さなコオロギを10匹食べる場合と、大きなコオロギを10匹食べる場合では、摂取カロリーも消化への負担もまったく異なります。
目安として考えやすいのは、「頭の幅より大きくないサイズのコオロギを、一定時間内に食べきれる量」です。この考え方は、海外の爬虫類飼育ガイドでも広く使われています。
- ベビー・幼体:小さめのコオロギを10〜20匹程度
- 亜成体:中サイズを5〜10匹程度
- 成体:大きめを3〜7匹程度
これはあくまで一例であり、毎日この数を必ず与えるという意味ではありません。野菜や人工餌とのバランスを見ながら、昆虫の量を調整することが大切です。
実例として、成体のフトアゴヒゲトカゲに毎日10匹以上のコオロギを与え続けた結果、短期間で体重が増え、腹部に脂肪がついたケースがあります。その後、昆虫の量を半分以下に減らし、野菜の割合を増やしたことで、体型が徐々に戻ったという報告もあります。
コオロギは優れたタンパク源ですが、与えすぎると肥満や内臓負担の原因になります。「よく食べる=たくさん必要」と考えず、全体の食事バランスの中で位置づけることが重要です。
餌を食べない時に考えられる原因は?
フトアゴヒゲトカゲが餌を食べないとき、すぐに病気を疑ってしまいがちですが、結論としては環境や一時的な変化が原因であることも非常に多いです。落ち着いて状況を整理することが大切です。
まず確認したいのは、飼育環境です。温度や紫外線量が適切でないと、消化機能が低下し、食欲が落ちやすくなります。特にバスキングスポットの温度が低い場合、体を十分に温められず、餌を食べなくなることがあります。
次に考えられるのが、餌への飽きや好みの変化です。毎日同じ昆虫や同じ人工餌を与えていると、興味を示さなくなる個体もいます。この場合、餌の種類を変えたり、与え方を工夫したりすることで、食欲が戻ることがあります。
- 温度・紫外線が適切か
- 最近餌の内容が偏っていないか
- 脱皮や成長期による一時的な食欲低下ではないか
- 排泄が止まっていないか
実際の例では、冬場に室温が下がったことで餌を食べなくなり、保温を強化した途端に食欲が戻ったケースがあります。また、脱皮前後に数日食べないことも珍しくありません。
ただし、1〜2週間以上まったく食べず、体重が明らかに減っている場合や、ぐったりしている場合は、早めに爬虫類を診られる動物病院に相談することが重要です。
フトアゴの4ヶ月の餌は成体とどう違う?

生後4ヶ月前後のフトアゴヒゲトカゲは、ベビーから亜成体へ移行する重要な時期です。結論としては、成体よりも高い頻度とタンパク質量が必要ですが、ベビーほど多くは必要ありません。
この時期の個体は、見た目はかなり大きくなっていても、体の内部ではまだ成長が続いています。そのため、「もう大きいから成体と同じでいい」と判断してしまうと、栄養不足になる可能性があります。
4ヶ月前後の餌の考え方としては、以下のようなバランスが目安になります。
- 給餌頻度:1日1〜2回
- 昆虫:主役だが量は徐々に調整
- 野菜:少しずつ割合を増やす
- 人工餌:補助的に使用
実例として、4ヶ月の個体を成体と同じ頻度・量で飼育していたところ、成長が緩やかになり、体格が同月齢の個体より小さくなったケースがあります。餌の回数を1日2回に戻し、昆虫量を増やしたことで、その後しっかり成長したという報告もあります。
この時期は「減らしすぎない」「与えすぎない」というバランス感覚が特に重要です。体重や体の張りを定期的に確認しながら、成体へ向けた移行期間として餌を調整していくことが、将来の健康につながります。
トカゲは何日食べなくても大丈夫なの?
フトアゴヒゲトカゲが数日間餌を食べないと、多くの飼育者は「このまま餓死してしまうのではないか」と強い不安を感じます。結論からお伝えすると、健康な状態で環境が適切に整っていれば、数日から1週間程度食べなくてもすぐに命に関わることは少ないです。ただし、その「大丈夫」の前提条件を正しく理解しておくことが非常に重要です。
フトアゴヒゲトカゲは変温動物であり、哺乳類のように常に一定量のエネルギーを消費しているわけではありません。体温や代謝は周囲の温度に大きく左右され、活動量が落ちればエネルギー消費も自然と少なくなります。そのため、一時的に餌を食べなくても、体内に蓄えた栄養でしばらく過ごすことができます。
この特性は野生環境でも見られるもので、天候や季節の変化によって獲物が少ない期間を乗り越えるための適応です。特に成体のフトアゴヒゲトカゲは、脂肪を尾や腹部に蓄える能力が高く、短期間の絶食に比較的強い傾向があります。
海外の爬虫類飼育ガイドや研究資料でも、健康な成体であれば数日〜1週間程度の食欲低下は珍しいことではないとされています。ただし、これは「元気があり、体重が急激に減っていない」「飼育環境が適正である」という条件がそろっている場合に限られます。
目安として考えやすい期間は、以下の通りです。
- 成体:3〜7日程度
- 亜成体:2〜4日程度
- 幼体・ベビー:1〜2日程度
幼体ほど体内の蓄えが少なく、成長に多くのエネルギーを必要とするため、長期間食べない状態は望ましくありません。一方、成体では多少の食欲ムラがあっても、慌てずに様子を見る余裕があります。
実際の飼育例では、脱皮前後や環境の変化(ケージの掃除、レイアウト変更、引っ越しなど)をきっかけに、数日間まったく餌を口にしなくなることがあります。このような場合でも、温度や紫外線が適切で、水分が確保されていれば、自然と食欲が戻るケースが多く見られます。
一方で注意が必要なのは、「食べない期間」そのものよりも「状態の変化」です。以下のような様子が見られる場合は、単なる食欲不振ではない可能性があります。
- 体重が目に見えて減っている
- 目に力がなく、ぐったりしている
- 排泄が長期間止まっている
- バスキングをほとんどしなくなった
このような状態が数日以上続く場合は、自己判断で様子を見るのではなく、爬虫類を診察できる動物病院に相談することが大切です。「何日食べないか」だけで判断せず、「今までと比べて様子がおかしくないか」を基準に考えることが、安全な飼育につながります。
つまり、フトアゴヒゲトカゲが餌を食べない期間はゼロ日でなければならない、というものではありません。正しい環境管理と日頃の観察ができていれば、必要以上に不安になる必要はなく、落ち着いて対応することができます。
肥満の見分け方はどうチェックする?
フトアゴヒゲトカゲの健康管理で意外と見落とされやすいのが肥満です。結論としては、「よく食べて元気そう」に見えても、体型を正しくチェックしなければ肥満に気づきにくく、気づいたときには内臓に負担がかかっているケースもあります。
フトアゴヒゲトカゲは、もともとがっしりした体つきをしているため、多少ふっくらしていても「この種類はこんなもの」と思われがちです。しかし、過剰な脂肪は関節や内臓に負担をかけ、寿命を縮める原因にもなります。
肥満を判断する際に大切なのは、体重の数字だけでなく、見た目と触った感覚の両方を確認することです。特にチェックしたいポイントはいくつかあります。
- 腹部が床にべったりついていないか
- 歩いたときにお腹が左右に揺れていないか
- 尾の付け根が不自然に太くなっていないか
- 首元や脇に脂肪のたるみが出ていないか
健康的な個体では、腹部は地面からわずかに浮き、歩行時も体が重そうに見えません。尾は付け根にしっかりした太さがありますが、丸太のように全体が同じ太さになることはありません。
一方、肥満傾向の個体では、腹部が常に床につき、動くたびにお腹が左右に揺れる様子が見られます。尾も根元から先端まで太さの変化が少なくなり、脂肪が蓄積しているサインとなります。
実例として、成体になってからも毎日大量のコオロギを与え続けていたフトアゴヒゲトカゲが、見た目には元気でも動きが鈍くなり、定期的な体重測定で明らかな増加が見られたケースがあります。餌の頻度を減らし、野菜中心の食事に切り替えたところ、数ヶ月かけて体型が改善し、活動量も戻ったという報告があります。
肥満を防ぐためには、以下のような習慣が役立ちます。
- 月に1〜2回は体重を測る
- 写真を撮って体型の変化を記録する
- 昆虫の量を定期的に見直す
- 成体では野菜の割合を意識的に増やす
特に体重は、毎日測る必要はありませんが、同じ条件で定期的に記録することで、小さな変化に気づきやすくなります。「少し太ったかも」と感じた段階で調整できれば、大きなトラブルを防ぐことができます。
肥満は一朝一夕で起こるものではなく、日々の積み重ねで進行します。逆に言えば、日々の餌の量と頻度を見直すことで、十分にコントロールできる問題でもあります。
まとめ:フトアゴヒゲトカゲの餌の頻度の正しい管理と長生きのコツ
フトアゴヒゲトカゲの餌の頻度や量、内容を正しく管理することは、長生きにつながる最も重要な飼育ポイントのひとつです。結論としては、「年齢に合った頻度と内容を意識し、個体の様子をよく観察しながら調整する」ことが、健康を保つ近道になります。
餌を食べない日があっても、すぐに異常と決めつける必要はありません。変温動物としての特性を理解し、環境や体調の変化を冷静に見極めることで、不要な不安を減らすことができます。一方で、体重減少や元気のなさといったサインを見逃さないことも大切です。
また、よく食べることと健康であることは必ずしも同じではありません。肥満は気づきにくい分、放置すると深刻な問題につながります。日頃から体型や動きを観察し、餌の量や頻度を見直す習慣を持つことが、トラブル予防につながります。
実際の飼育では、「完璧な正解」を求めすぎないことも重要です。個体ごとに性格や食欲、成長スピードは異なります。マニュアル通りにいかないからといって失敗ではなく、その個体に合った管理方法を見つけていくことが、飼育の醍醐味でもあります。
フトアゴヒゲトカゲの餌の頻度は、単なる回数の問題ではありません。量・内容・環境・観察をセットで考え、日々の積み重ねを大切にすることが、結果として長く元気に過ごしてもらうための最大のコツと言えるでしょう。
- ・フトアゴヒゲトカゲの餌の頻度は年齢と成長段階で大きく変わる
- ・餌の量や内容は個体の体型や食欲を見ながら調整することが重要
- ・人工餌・昆虫・野菜を組み合わせることで健康を維持しやすくなる
- ・食欲不振や肥満などの変化に早く気づくことが長生きのカギ
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